女装ブログ・小説
世界で1番幸せな午後♡ゆみちゃん

春の雨はシトシトと優しく、空気を潤すような日。雨雲の隙間からそっと陽ざしが部屋差し込み、光はふわりと舞い、静かに肌に溶けていくようだった。
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ゆみは鏡の前で服を整えながら、「この服、ちょっと派手かな?」と振り返る。ましろは携帯を取り出しゆみに向ける。パシャパシャと写真を撮りながら「夏っぽくて良い、ゆみちゃんに似合うと思う」と優しく笑った。その笑顔に、ゆみの心臓がふいに跳ねる。
散らかったテーブルに、化粧ポーチやブラシ、カーディガンが転がっている。ふたりは何かの順番を守るでもなく、気の向くままにメイクをして、服を試しては笑い合っていた。ましろがふざけてゆみの頭にリボンをちょんと乗せると、ゆみは「これラブリーすぎないー?」とクスクス笑う。
その反応が可愛くて、反対側にももう一つリボンを付ける。ゆみは「やめてよぉー」と笑いながら身をよじる。「ゆみちゃん、キティちゃんみたいになっちゃった!」何をするにも楽しくて、顔を見合わせては笑い合う2人。
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